苦手なもの
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いつしかアップルにはお迎えというお仕事ができていた。アップルは私が出かけた日、バス停か電車の駅に必ずお迎えにいくことになっている。
まず、携帯電話で、バス停ならば5分ほど前、電車の駅ならば20分ほど前、それぞれの到着前に自宅へ電話する。電話は2,3回鳴らして切る。アップルは、黒い帽子のおじさんが応答せず2,3回鳴らして切られる電話はお迎えの合図であると認識している。どんなに寝ていても、その合図で飛び起き、身体をウニウニ伸ばし体操し、満面の笑みで出かける準備をする。早くいこうよ。
濡れるのが嫌いなアップル。プールも川遊びも大嫌い。足が濡れるのがいやで(すでに空は晴れていても)雨上がりの道も通りたくない。
そうであっても、お迎えのお仕事は別。家の戸を開けて、外は雨であるとわかるとほんの一瞬いやそうな顔つきになるが、はりきって歩く。いつぞやは、嵐で雷がなっていた。人間でもひるみそうになる。アップルはそれでも、よし行くぞと心に決めて、ずぶ濡れでぐんぐん歩く。
また、たとえ電話が深夜1時でも、しっかり起きて歩く。
盲導犬になるために生まれてきた仔。使命感は健在である。
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